よかった開いてた。

酒屋で酒を飲めるところ。角打ちってやつ。


これが居酒屋の始まりにして最終形だと思う。
俺も東京生活15年でここまで行きついたよ。
これがいい品揃えなんだ。渋い酒。安いしね。

これは銀盤の純米大吟醸(300)。

純米大吟醸といってもフルーティーじゃないんだ。
それがいい。
スレスレ。

昔は高い純米大吟醸がフルーティーでうまいと思ったけど、
今は安い熱燗がいちばんうまいんだよね。
店内、昨日のプレミア12の話で盛り上がってる。
たしかに今、絶対的な守護神っていないな。
でも俺はひとりだから、天井の蛍光灯見てる。

ほんとはさっき王子の帰りにカップ酒買ったんだよね。

だけどこの雰囲気を求めて寄っちゃった。
俺の人生、なんなんだろ。
みんな楽しそうに飲んでる。

つぎはどれにしよか。

高清水純米(290)。

なみなみ。

落語に出てくる酒って、こんな感じじゃないかと想像してる。

うしろのお客さんたちが、長野県の話してる。
かわいい子なら、僕も長野なんですよー、偶然ですね!ていうけどな。
付き合ってください、なんなら結婚してくださいっていうけどな。
おっさんだから、言わない。
次はなに?

菊正宗(240)。安いほうがうまいんだよ!

酔いたいんだろ。これも思い出。

帰る。
といいながらだらしてたら閉店。
いつの間にかひとりになってた。
帰るようにうながされたよ。
