小雨降る12月の夕方。一之江という駅にいる。
めざす店はまだ遠い。がんばれ、俺。
雨が強くなってきた。もうダメだ。傘を買おう。
よし、がんばるぞ。
来たよ〜。よくがんばった。
意外とビルなんだね。
本やネットでよく見るのはこの画。
だれもいない。コの字形のカウンター。
入り口から見るとU。
ストーブのにおいが懐かしい。
昭和の冬がここにある。
静かだよ。親父さんひとり。
メニューアップ。
まずは焼酎ハイボール(350)。
しばらく飲んでるとおかみさん登場。
「どちらから?」とかいろいろ話しかけてくれる。
やさしい。
しめさば(350)。
じんわりといい味がします。
けっこう脂もあってうまいなあ。
もうひとりお客さん来た。よかった。
あの鍋が煮こみだね。
お客さん増えてきた。みんな常連さんだ。
煮こみ(400)発注しました。
でん!馬のモツらしいよ。
あー、この味知ってる。どこかで食べたなあ。
あっさりしててうまいです。
馬のモツはくさみがなくていい。
ホッピー(400)は完成形で出てくる。
いいホッピーだ。
これと食べると煮こみがうまくなる。
本当に。
スを半分囲んでカネス。
お客さんもおかみさんもみんなでテレビ見てあれやこれやと言う感じ。
熱燗(350)。
ストーブには熱燗です。
まったりしてる。
熱燗を追加。奥のそろばんが見えますか。
これまでこのそろばんでいくら計算したんだろ。
相当だよな。
昭和7年からだもん。
ところで今、すごい発見をした。
熱燗のとっくりの上のところが熱くて持てなかったの。
この辺り。
下のほうはもっと熱そうじゃないですか。
ところがそっちは熱くなくて持てるんです。
この辺り。
はじめて知ったよ。常識なのかなこれ。
酒場で読書してもほぼ忘れるけど読みたい雰囲気。
さて、ここまで飲んだのはこれのため。
あ、うまい。
飲んだあとだからうまいんじゃないと思う。
ただの醤油じゃない。コクがある。
昔ながらだけど、その辺のそういうラーメンとは明らかにちがう。
この感じのラーメンはコショウかけたくなるけど、
これは必要なし!
もうコショウかかってるぽいし、何よりコクがあるから。
醤油とトンコツを合わせたとどこかで読んだような。
たしかにそんな感じ。
このラーメンだけでも食べに来たい。
麺もうまいしね。
この店の人気の訳がわかったよ。雰囲気だけじゃない。
さあ締めた。名残惜しいけど、そろそろ帰るか。
ちなみに常連さんはこのドアから入ってくる。
おかみさんとお客さんに気をつけてと見送られ帰ります。
ラーメンがあんなにうまく感じたのは、
やっぱり酔ってるからだろうか。
たぶんちがう。
あしたはクリスマスイブ。
サンタクロースは、きっと来る。
追記:『東京昼酒場100』によると、ラーメンはチャーシューを煮たたれを豚骨スープで割ったものだそうです。うまいはずだ。