妻はイタリアンがいいと言う。
俺はモツ煮が食べたい。
何年も夫婦をやってると、こういうことはよくあることで。
その折衷案を考えるのが俺の仕事だと思ってる。
で、中間管理職が考えたのがこの店。
オステリア・ウネット。
モツイタリアンって完璧じゃないですか。
けっこう前に一度来たことあるよ。
そのときは別の女性とだったな。
まあ、それは妻にあえて言わなくていいことだ。
よし。飲みましょ。
俺はワイン。
妻は今日はコーヒー。
さっきまで他のところで飲んでたらしい。
ピクルスもね。
はい、イタリアのモツ煮。
とてもおいしい。
濃厚でモツがたくさん。
ほら。
いい仕事したわ、俺。
さっきよりちょっと重めの赤。
このグラス、脚のところまでワインが入ってるみたいに見えるね。
ビアも飲みたくなった。
ふたりとも二軒目だからこのくらいにしようか。
もっと食べたいけど満腹で。
家に帰ろ。